2019年1月6日(日)7:30
〜都外川先生の色彩学レッスンvol.37〜
「かさねのいろめ」ってご存知でしょうか?
「世界最古の配色便覧」
とも称される、日本が世界に誇るべき色彩文化(配色美)です。
平安時代に和様の文化が発展して以降、
我が国独自の美観を反映した独特な色使いとなっています。
なぜなら、日本には「美しい四季」があります。
「日本の伝統色彩」はこれをとても重要視しています。
その四季折々の自然の色彩を着物に採り入れて表現した粋な配色美が
平安貴族が身につけておくべき教養や作法のひとつとされていました。
その四季折々の自然の色を巧みに取入れる手法が
配色作法にまで昇華したのです。
実は同じ「かさねのいろめ」でも
漢字の表記よって意味合いが異なります。
1️⃣ 重色目 : 表地と裏地(上と下)の2枚の合わせ(配色)
2️⃣ 襲色目 : 下着から上着に至る重ね着の複数枚の合わせ(配色)
3️⃣(織り色目): 織物の縦糸と緯糸の合わせ(配色)
よく知られているのは1️⃣と2️⃣です。
1️⃣に関して
当時の絹は非常に薄く、裏地の色が表によく透けるため、
独特の美しい色調が現れます
(東商カラーコーディネーター検定テキストより一部をご紹介)
2️⃣に関して
十二単に代表されるような、
重ね着によるグラデーションの色調です。
長崎盛輝(ながさきせいき)の研究によると、
春夏秋冬に応じた配色以外にも、
四季を通じて通年用いられる配色があり、
前者が130種、後者が66種だそうです。
配色に応じて、四季折々の草花や風景からとった
美しい配色名が付けられています。
https://www.amazon.co.jp/かさねの色目―平安の配彩美-長崎-盛輝/dp/486152072X
西暦が2019年に変わり、
平成最後のお正月を迎え、
4月に新しい元号に変わろうとし、
来年にオリンピックを控えている今、
日本の美しい四季や
それを美しく再現した日本固有の配色文化に
思いを馳せてみませんか?
COCOLOR(ココカラー)代表 都外川八恵